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小海原

仙台ぐらし/伊坂幸太郎

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文字が汚い&インクの出が悪すぎたので打ち直したやつも置いておきます

だいぶ前に買った(これを書いているのは2025年5月だが多分買ったのは出版されてすぐ)ので意識してなかったけど、これは東日本大震災をまたいだエッセイ集だったんだな...と読んでる途中で気付いた。2009年に執筆された話の中で、宮城県沖地震が数年のうちに発生しそうという文章があって、結局その予想が当たることを知っている私はああ…とその後の展開を憂いてしまったし、震災後に書かれた文章もかなり心に刺さった。思っていたより共感できる文章だったから、私にとっての“当時”を思い出して気落ちしてしまった。熊本地震があった時、私もある程度の被害はあったものの家も家族も無事で、もっと大変な状況にある人がいるのはわかっているが何もできなくて絶望感がすごかった。その日々を鮮明に思い出した。

でも熊本はかなり復興した。ぼろぼろになった熊本城を見た時は本当にお城も私たちの生活も元通りになるのかわからなくて不安でしかなかったけど、あれから9年が経った今、熊本城は再び立派にそびえ立っているし、街も賑やかさを増している。仙台もそのように、作中の言菜を借りるならば一度は折れた骨が繋がって、飛び跳ねることができるくらい元気になったと信じている。

震災に絡めて感想を書き殴ってしまったが、このエッセイ集は決して震災前後の仙台に焦点を当てたものではなく、伊坂さんが仙台での暮らしを面白く書き綴ってくれたものだ。伊坂さんの視点や文体が魅力を引き立てているというのもあるが、仙台って良い感じの街だなあ、とひしひしと感じた。そもそも、九州にずっと住み続けている身としては、東北地方はかなり未知の土地であり、行ってみたいなとずっと思っている。これを機に、仙台を楽しむ算段を立てようかな。私はあいにく炭酸がダメだからミルクコーラは飲めないけどすごく気になるし、伊坂さんが原稿を執筆するような落ち着きのある喫茶店にも行ってみたいものだ。畳む

長め,読書記録



スキンお借りしています。→何らかの配布場

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